■ 超新星の残骸メシエ1天体
M 1(NGC1952) おうし座/超新星残骸
赤経 05h34.5m 赤緯 +22゜01'
光度 8.4等 視直径 6'×4' 距離 6,500光年
かに星雲は超新星残骸で、太陽の8~10倍程度の質量を持った恒星が爆死した亡骸の姿です。
西暦1054年に出現した超新星で、イギリスのロス卿が、微細なフィラメント構造がカニの足のようあることから「かに星雲」と命名しました。
かに星雲の中心にある中心星は、中性子星でパルサーがあり、1秒間に30回という高速回転をしており、X線や電波を出しています。
中性子星は、天文学的には1969年に発見され、直径は約10~20kmの大きさで、光度は16等級で輝いています。
かに星雲は、1054年に超新星の出現しました。その時は金星ぐらいの明るさ位に増光し、23日間にわたり昼間でも肉眼でも確認でき、夜間は後2年間も見えていたという記録が世界各地で残されています。
中国の記録『宋史』「天文志」に客星(突然現れた明るい星)として記され、仁宗の治世である至和元年五月己丑(1054年7月4日)に現れ嘉祐元年三月辛未(1056年4月5日)に見えなくなったと記述されています。
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日本でも藤原定家の『明月記』の、 天喜二年四月中旬以後、丑時、客星觜・参の度に出づ。東方に見(あら)わる。天関星に孛(はい)す。大きさ歳星の如し。 は有名です。
また、1000年頃にアメリカ・インディアンによって描かれたアリゾナの壁画に残されている星の画をこの超新星であるというのも超有名です。
不変的にも見える空に異変とは「神の怒り」かと、さぞかしビックリした事でしょうね。